古民家解体

03/02/21

 

湖北町の古民家を解体するという情報がありました。

母親が産業廃棄物関係のホームページで偶然見つけ、家主さんに打診したのです。

家主さんから親切にも返事を頂き、できる限り協力しますとの事でした。

解体業者さんに欲しい材料があれば、できるだけ協力してもらうように伝えてくれました。

そして家主さんが、僕のHPを拝見までしていただき共感を頂けた事は嬉しかったです。

早速湖北町の現場へ。

   
         

築約100年という立派な家です。

現在は屋根にトタンを張っていますが屋根裏に上がると立派な合掌と葦が見えました。

畳や家具は運び出されておりがらんとしてました。

その中で

まずは建具と道具を運び出しました。

   
建具
  玄関建具   唐箕
     
脱穀機
  成果!    

脱穀機というのは御存知の通り

稲穂を回転させた脱穀機のドラムに当てて米のみを取り出す機械です。

足でドラムを回転させます。

そして、籾殻(もみがら)を取った米と籾殻を振り分けるのが唐箕です。

羽を回して風で籾殻だけを吹き飛ばすという機械です。

もちろん羽を回すのは手動です!

とても欲しかったのです〜!!

 

二日目。

解体は分別が義務付けられているのでほとんどが手(ハンマーやバール)での解体です。

屋根、壁や床を取り外して骨だけにして、最後に重機で倒すそうです。

(大梁や大黒柱はきれいに取り外すにはお金がかかります。)

     
         

幸運にも現場監督さんは田舎暮らしが大好きな方でした。

さらに偶然にも在原でいつもお世話になってる方の知り合いでした!

意気投合して解体のアドバイスや手助けも頂けました。

   
ハンマーで小梁をはずす       煤だらけ

民家の骨組はほとんど釘を使わず組み立てられてます。

ですから組み立てる逆を追えばきれいにばらせるそうです。

取り外した木材の加工を見ると100年前の大工たちの生々しい手の仕事が見ることができます。

100年前、彼等がこの木に向かってノミを打っていたことを想うと感慨深いものがあります。

しかし100年間の煤や埃は半端じゃなかったです。

目に入り涙と汗で顔は煤だらけになりました。

在原の解体を想い出しました。

 

三日目。

瓦を取り外しました。

この現場は平屋の倉庫が隣接しており、瓦取りの作業が容易な条件でした。

しかしそこから瓦を梯子をつたって下ろすのがめちゃくちゃ大変でした。

ほんとに地道な作業でした。

     
瓦はずし   おろした瓦    

平行して屋根の茅落しをしてました。

春には僕の家も茅を落とすので参考になりました。

それにしてもスゴイ埃と茅の量でした。

屋根の骨組が見えて感動しました。

村人が大勢で屋根に登りワイワイ作業してたような風景が浮かびます。

   
落とされた茅   屋根の骨組   重機で解体

 

様々な事情で解体を余儀なくされた家ですが

大切に住み継がれてきた痕跡を見ると

家主の方が「思い出のある家だから、なんだかの形で残されることは嬉しい事です」と言われた事が理解できました。

僕はこれから、この思い出に新しい命を吹き込むのです。

 

それから

家主の方や現場監督さんとの新しい出会いも生まれました。

本当にお世話になりました。

完成した暁には招待したいと考えてます。

 

とにかく、頑張ります!!!

 

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