現実を知った夜

06/05/04

 

この避けがたき、現実をこれほど重く受け止めたことはありません。

年月は間違いなく過ぎていたのでした。

 

シャワーを浴びに彼女とバイト先のガソリンスタンドへ向かう途中。

夜も更け23時を過ぎようとしてる静かな夜でした。

真っ暗な夜道で水路に脱輪した、なにわナンバーのエスティマと遭遇。

さすが連休。

ぼく 「だいじょうぶ?」

若者 「大丈夫です。いまJAF呼んだところです。」

ぼく 「あーそうなんや(内心ホッ)」

若者 「あのーー、スイマセン.。連れが何人かいるのでペンション○○の近くまで送ってやってもらえないでしょうか?」

ぼく 「かまへんよー」

若者 「あ、ありがとうございます!!!ちょっと連れを呼んできます!」

暗闇の山道からから男の子2人、女の子が4人。

それも相当疲労しており、泣いてる女の子も・・・ただならぬ状況・・・のようである。

 

話によると

O芸術大学の学生7人は車二台で大阪から敦賀へ海に遊びに行った帰り渋滞につかまり

一台が黒河越という敦賀からマキノへ抜ける裏道に進路を変更。

ところが、かなりの山道で、おまけに山頂付近はまだ雪が残っており(!)

見事に雪にハマリその車は走行不能となったそうな(夕方6時)。

そして、一時間もの悪戦苦闘もむなしく山中に車を放置。

海の格好で暗闇の中、残雪の山道を4時間かけてマキノまで下りてきたそうな・・・。

(後で聞いた話では黒川越は崖崩れで昨年から通行禁止になっているとのこと)

そしてもう一台は音信途絶えた仲間を探しマキノ側から黒川越の道を探しているときに水路に脱輪。

係長もうらやむその芸術的なアクシデントの数々。

そりゃ泣くわ。

 

寒さと恐怖で疲れた女の子たちを乗せてペンションまで送る途中、しんみりした車内で。

ぼく 「まあ、なかなかこんなGWもないで」

ぼく 「みんな無事やったし、いい思い出になるで、こりゃ」

女の子たち 「・・・・・・・そうですね・・」

ぼく 「暗い山道ずっと歩いてきて、道の灯見たときはうれしかったやろう?!」

女の子 「(だんだん元気が出てきたようで)そりゃあもう!!」

女の子 「ほんとに助かりました、ありがとうございますぅ」

ぼく 「この経験がこれからの作品にスゴイ影響与えるかもしれんしなあ」

一同爆笑。

女の子 「でも、こうして助けてくれた人が気さくなおじさんで良かったねぇ!!」

女の子 「ほんま、ほんま気さくなおじさんでよかったわぁ!!」

 

・・・・・・・・・・いつの間にか

・・・・・・・・・・気づかぬうちに

僕はどうやら「おにいさん」から「おじさん」のボーダーラインを越えていたようです。

大きな一歩をいつの間にか踏み出していました。

 

やけに星がきれいな夜でした。

 

 

 

 

 

 

 

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