TVの「ビフォーアフター」を観て思ふ
03/10/06
昨日、テレビで「ビフォーアフター」と言う番組を見ました。
最近はやりの家のリフォームの番組で
数々の問題(狭いとか老朽化とか)を抱えた住宅が
匠(たくみ)と呼ばれる設計士の先生によって見事に生まれ変わり依頼者の喜びと涙が観る者をひきつける番組です。
我が家も例外ではなく、この番組は欠かさず見ています。
僕は設計とは依頼者の要望だけに応えるだけではなく
依頼者に新しい何かを与える仕事だということを改めて認識させられる、とても面白い番組だと思います。
(テレビの世界ですから設計の業務や現場のムツカシさは割愛されていますが)
昨日は築300年の茅葺き民家でした!
もちろんビデオ録画スタンバイ、テレビを初めて買った家族みたく家族全員集合で見させてもらいました。
長年茅葺きの家を守ってきた依頼主のおばあちゃんは、維持管理のしんどさで何とかしてほしいという。
完成した家は茅葺きの屋根に鋼鈑の屋根をかぶせ、昔の雰囲気(外観、土間、縁側など)は残しつつ現代風に改修されてました。
まあ、とてもセオリー通りの改修で良かったです。
ところが
番組的に面白くしたいのか、茅葺き民家のダメな所をあまりにも強調しすぎなんです。
僕はそれが面白くない。
屋根が腐って骨組が見えてる(アレは骨組やなくて茅を抑えてる竹やっちゅーねん)
屋根にコケが生えて草が生えてる(そんなんどうって事ない、わいの家にはカブトムシの幼虫もいたっちゅーねん)
茅の入手困難(うそつけ!誰がそんな事言うとんねん、出てこーい!)
茅葺き屋根の維持管理の手間が大変(20年も屋根として機能してるねんで!20年も!)
何本か柱の根元が腐って今にも崩れそう(築300年やで、根元くらい腐るわ!わいの家は柱そのものが腐ってたけど崩れてへんぞ!)
雨戸がスキマだらけで冬は風邪をひく(雨戸くらい直せるやろーーーーっ!いちいち深刻に捉えるなっちゅーねん)
とにかく、悲惨さは十分アピールできたと思います。
それで番組が面白くなれば良いんでしょ?
注目すべきは、なぜ300年も存在可能なのか?
300年ですぞ!!
今の住宅で300年生き延びることはできるのかな?(それは僕にもわからない)
そうやって手を入れながらでも再び存在することが可能なんですぞ!
昔の先人達の知恵をもっとなぜアピールしないのかい?
もう一つ面白くないのが
解決するにはお金がないといけないということを、まざまざと見せつけられたという事です。(依頼者の予算は1200万円也)
そんなさみしいこと言わないでよ!
これを見た田舎暮らしを夢見る若者がまた一人踏みとどまり
見捨てられ、朽ち果てる民家がまた一つ増えたやないかい!
以上ほろ酔い調でお伝えしました。
ちゃんちゃん